不動産価格のセカンドオピニオン例1(取分の検証)

先日ブログにも書きました、日本大学理工学部で行われました不動産鑑定士オープンセミナーは、お陰様で盛況で無事終了しました。私は思っていたことの半分も言えませんでしたが、若い鑑定士の方の「やる気」「やりがい」を感じる発言に、来場者の方も思うところがあったのではないでしょうか。

主催者の簡単な報告が以下で読めます。

http://www.fudousan-kanteishi.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/02/open_seminar20170222.pdf

やはり不動産鑑定士を知って頂いて、受験者を増やすことは大変重要ですし、一般の方には不動産鑑定士をどのように使えば有効であるかも、知って頂きたいと考えております。そのような循環が出来てくれば、受験者数も増え、不動産鑑定士を利用する方が増えてくるのかなとやや楽観的な見方をしております。

さて、前回のブログでは、セカンドオピニオンとしてご利用頂くことをお薦めしましたが、具体例を挙げて説明させて頂こうと思います。

今回は、相続や贈与に関連して、不動産の取分を決めなければならない場合にご留意して頂きたいことを述べます。

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〇財産分与にご注意を!

~相続税を申告する時の不動産の価格は時価ではありません~

 

税金を申告する場合、税理士先生に計算してもらうことがほとんどだと思います。資産税に強い税理士先生であれば、色々と考えてくれると思いますが、税金の申告時に決めた不動産の評価とは別に、「本当はいくらで売れるのか」ということを主眼に置いた価格を知ることが重要になってきます。

なぜなら、自分の取分として提示された不動産は、実際に売買市場に出したら思っていた価値の半分しかなかった。なんていうお話も実際にございます。

他者が低い価値として受け取った不動産は、実はその倍の価値があったなんていうお話もあるかもしれません。

ですので、このようなケースに当てはまる場合、計画を実行する前に、セカンドオピニオンとして不動産鑑定士にご相談頂ければ、その財産分与は公平なのか、そうではないのかが判明致します。

 

また、上記は色々な不動産を利害関係者間で分けるイメージのお話ですが、例えば、一つの大きめな土地を数人で分割する場合もございます。この場合の注意点は以下の言葉で表現できます。

 

〇一つの土地を数人で分ける場合、特に注意が必要!

~分け方次第でものすごい不公平が発生します~

 

これは、土地をいくつかに分筆する場合、道路付け、方位、分割された土地の形状、高低差等で、それぞれの土地の単価がかなり変わってくることを頭に入れておいて頂きたいと思います。

 

〇結論

~相続や贈与税の負担と、不動産の取分が見合わないことがあります~

 

得をする方はいいかもしれませんが、得をする方がいれば絶対に損をする方も出てしまうのが常でございます。

特に親族間等でこのような結果になりますと、後々まで関係がこじれてしまうという悲しい状況に陥ってしまうことが多いです。

公平という観点から計画を進めていけば、揉めることは減少します。

 

公平性を保ちたい方は、是非、不動産鑑定士のセカンドオピニオンを取って下さい。